世界はそれを愛と呼ぶんだぜ

なんとなく語りたくなった日々の出来事です

中食に1万円?!お惣菜だよね?

わたしは昔、ロック・フィールドで働いていた。アルバイトだけど、もう学校は卒業していたのでフリーターというべきか。

 

デパ地下で洋惣菜を扱っていたその店は、それはそれは産地やら、食材やらにこだわっており、当時のわたしにしたらまさに富裕層の食べ物といった感じで、自分で金を出そうとは思えなかった。100gで300円〜500円ほど、でも100gなんてすぐになくなっちゃうし、全然足りないけど、でも沢山なんてとても買えない。だけどね、それが売れるんだよなあ、、ばかすぽと。

 

最初は不思議で仕方なかった。

なんでこんなに買うんだろうって。

 

普段の食事でこうなんだから、クリスマスなんてすごいことになってた。売る側も、クリスマスに合わせていろいろ仕掛けていくんだが、商品の単価もものすごく跳ね上がる。さらに良い食材やら商品を並べて購買意欲をくすぐるんだな。予約も1ヶ月前くらいから受けて、当日はものすごい行列。バレンタイン前のチョコ売り場みたいな。そうすると、普段500円ほどの客単価が、うん千円になって、何万と買ってくお客様もいて。

 

で、毎日売り場に立ってれば、嫌でもお客さんと話すようになる。はじめは適当に天気の話とかしてたんだけど、自ずと気がついたことがあって。

 

 

それはね、みんな笑顔だってこと。

 

これから妹のとこに行くから手土産で、とか、子供たちが遊びに来るから、とか。まあ単純にこれ好きなのよって方もいたりしたけど。

 

それでなんとなく思ったんだな。

ああ、わたしは、ものを売ってるんじゃなくて、この商品を囲むことでできる空間を提供しているんだなって。

 

きっと大切な人と食べるんだろう。それを想って買ってくれるお客さんは、その先の体験に支払っているんだと。大切な人と食べる、その空間への対価なんだと。そしてこの価格は、それだけうちの商品に信頼があるからこそなんだと。ここで買えば、絶対間違いないって。

 

そう思えるようになってからは、お金の使い方が変わった。高くても、質が良いものを身につけよう。心で満足できる、美味しいものを食べよう。大切なひとには、本当に美味しいものを食べてほしい。それを保証してくれるなら、わたしはお金を出したい。

 

いままでの価値観が変わり、はじめは食だったのが、物、体験へと変わっていって、昔は思いもしなかったことにお金をかけるようになった。

 

それが“ブランドが好き”につながるわけで。